なぜ芝生に水たまりができてしまうのでしょうか。芝生に水たまりができると根腐れが起きたり、病原菌に芝生が感染してしまうなどデメリットしかありません。今回は水たまりの原因3つと、根腐れを防ぐための対処法を解説します。
目次
芝生に水たまり?その3つの原因とは
芝生に水たまりができる原因は何でしょう。原因は3つ。
- 土壌の排水性
- 凸凹があって水が一部に集まりやすい
- サッチ
芝生に水たまりができてしまうと、根腐れの原因になったり、芝生の病気やトラブルが起きやすくなります。今回はその原因3つについて詳しくご紹介していきます。
土壌の排水性
元々、粘土質の土壌は、通常よりも水はけは悪くなってしまいがち。粘土質は水分を保つ力があるメリットがありますが、反面、排水性が悪くなるデメリットがあります。また、余分な水分まで残ってしまうため根腐れの原因にもなります。
一般的に粘土質の土壌は芝生の維持が難しいといわれていますが、対策次第では水はけを改善できるため、ご自宅の庭の土がどのタイプの土なのか事前に確認しておくとよいでしょう。
凸凹があって水が一部に集まりやすい
踏圧や雨により土壌に水分を多く含むと芝生にデコボコが出来やすくなります。デコボコができることで、水たまりができ芝生の一部分に過剰に水分が集中するのでそこだけ根腐れ起こしてしまう原因になります。また、水たまりができたところに病原菌が繁殖して芝生が病気にかかってしますリスクも高くなります。
ご自宅の庭の芝生が緑と茶色でまばらになっていたり、一部枯れてしまっている時は、下地がデコボコになっている可能性が高いと考えて良いでしょう。
サッチ
サッチとは芝刈りでこぼれた刈り草や冬枯れした葉などが土壌の表面に堆積して層になったものです。サッチができた芝生は水をはじき、通気性も悪くなるため根腐れの原因や芝生の病気の原因にもなります。
芝生を育成して2年くらいからサッチが堆積し始めるので、定期的にサッチを取り除く作業をする必要があります。
根腐れを防ぐためには
水たまりのできる原因を3つご紹介してきましたが、水たまりができると根腐れを起こしてしまいます。根腐れを起こすと、芝生が枯れてしまったり、病気の原因になります。
一度根腐れを起こした芝生はそのままにしていても元気な芝生に戻すことは、ほぼ不可能。そうならないためにも、土壌の排水性を高める工夫をしていきましょう。
排水性を高める方法として、地下排水の改善と表面排水の改善などがあります。次項で詳しく解説していきます。
根腐れを防ぐコツ
暗渠排水(あんきょはいすい)をする
地下排水を良くする方法として、一番効果的なのは土壌に暗渠排水(あんきょはいすい)を埋めておくことです。暗渠排水とは、地中にパイプを通して水の流れをつくる方法で、土の中に水が溜まってしまう事を防ぎます。
土の入れ替え
もし自宅の庭の土壌が粘土質であれば、土壌自体を入れ替えることも検討することをおすすめします。芝の根は20~30cmぐらいの深さまで伸びるため、土壌自体を入れ替えるにはこの高さ分の土を入れ替える必要があります。
ご自分でする場合、大がかりな作業になるのと残土処理や、客土の購入などで費用もかさみます。加えて、土壌改善した後に芝張りを全体に行うことにマリます。そのため、土壌改善は自分でするよりも業者に依頼したほうがよいでしょう。プロによるきれいな仕上がりを期待できます。
表面に傾斜をつける
地面にデコボコがあると水たまりができ、根腐れの原因になります。表面排水は、芝生を植える土壌面にやや傾斜をつけ水が流れやすくする方法です。傾斜の勾配目安は3%ほどでよいでしょう。庭の表面を整え、水の流れを良くしていきましょう。
へこんでいる部分に目土・目砂をする
芝庭のへこんでいるところに目土や目砂を入れることで平らに整えましょう。
芝生が埋まるほどかけてしまうと枯れてしまうので、目土は芝生が少し出るようにかけていきましょう。
エアレーション後の目土入れ
芝生を育成するには、定期的にエアレーションという芝生の更新作業をします。
エアレーションとは、芝生に穴をあけ根切りをする工程のことをいいます。そのエアレーション後に、芝生の上に目土や目砂をかぶせる目土入れをすることで、排水性や通気性が改善され、芝生の成長も促進されます。
サッチを取り除く
サッチが堆積して水はけが悪くなっている場合は、サッチを取り除いて水はけを改善していきましょう。
サッチの除去には熊手のような金属の爪がついたレーキを使用します。レーキには電動のものやサッチを分解する薬品などもありますので、広範囲に作業する場合にはおすすめです。
まとめ
今回は芝生に水たまりができてしまった時の対処法について解説しました。水たまりの原因は自宅の庭の土壌自体粘土質であったり、踏圧や雨によって芝生がデコボコになる、経年によってできるサッチの堆積によるものです。
これらは根腐れや病気の原因になるため、芝生の育成にはデメリットしかありません。芝生の根腐れを防ぐコツについてもご紹介しましたが、排水性を高める工夫が必要です。
地中にパイプを通す暗渠排水で土の中で水が溜まることを防ぐ地下排水の改善や、庭の土壌が粘土質である場合には土の入れ替えも検討するとよいでしょう。
また、表面排水を改善する方法としては、土壌の表面に傾斜をつけ水が流れやすくするものであったり、芝庭のへこんでいる部分に目土・目砂を入れて表面を平らに整えることも有効的。定期的に芝庭の水はけに気を付けて、きれいな芝生を育てていきましょう。