緑色の芝生の庭に憧れて、我が家にも芝生を張りたいと思っている方へお聞きします。
「その庭、芝生が根付く状態ですか?」
芝生はとても強い植物ですが、一方で生育に合った環境でないと根付かなかったり病気になってしまったりと美しく育てることができません。
今回はどんな場所が芝生の生育に向いているのか、どのような準備が必要なのかをまとめました。まずは場所のチェックと芝生を張るための準備をしっかりと行っていきましょう。
目次
芝生の庭づくりで失敗しないために
まずはその場所が芝生に適しているかを確認することが大切です。芝生は成長に向いていない場所では根付くことが難しく、弱りやすいです。
せっかく植えても枯れてしまうような場所では芝がもったいないので、まずは芝が育つ環境を知って当てはまるかをチェックしていきましょう。
日当たりはいい場所か
あまりにも日当たりが悪い土地だと、芝は育つことができません。とはいえ、よほど日当たりが悪くいつでもジメジメしているような場所でなければ、芝を張ることは可能です。
一日の日照時間が5時間以上ある場所であれば芝生を育てることができるでしょう。とくに、日本芝である野芝や高麗芝は、高温多湿の日本の夏に耐えることができるのでおすすめです。
育てる際には葉を長めに保つようにし、少しでも多く光合成ができるようにすると良いでしょう。また、風通しが良い場所であることも芝生が好む条件です。
水はけがいい場所か
コケやキノコが生えるような水はけが悪い土地だと、芝は弱りやすくなります。とくに土壌内の湿気は芝の根を腐らせてしまったり、病気を引き起こすため天敵と言えます。
一度土を掘り起こして、地面の質をチェックしてみましょう。特に粘土質の土壌は芝と相性が悪いので、取り除いたり土を改良をする必要があります。
詳しい土づくりについてはこの後説明しますが、土壌の水はけは砂を混ぜるなどすることで改良することができます。
地ならしをする時に水勾配を作ることでも水はけを改善することができるので、諦めなくても大丈夫です。ただし、放っておくと水はけが悪くなる場所だということを忘れずに、その後の芝生の手入れを行うことが大切です。
芝生を張るのに適した時期か
芝張りのおすすめは春(3~5月)もしくは秋(9月下旬~10月)です。
夏場は乾燥しやすく気温もかなり上がるため、水分不足で芝が根付くことができずに枯れてしまう可能性があります。また、冬は暖地型の芝は休眠期に入っており成長しないため、根付かない可能性があります。
芝が成長する時期でかつ、その後どんどんと伸びていく春が芝張りには一番おすすめです。
芝生の庭の土台を作る【整地】
芝生を張るのに問題がないようであれば、実際に芝生を迎える準備をスタートさせましょう。
まずは、土台になる地面をきれいにし整えていきます。庭の地面を全体的に15cm以上掘り返して、土をふるいにかけて小石やごみ、雑草などを取っていきましょう。
石や雑草の処理はしっかりと行うこと
ここでいかに丁寧に選別するかで、今後の芝仕事が左右されます。
土はふるいを使って石をしっかりと選別して取り除くことで、芝の根を妨げるものをなくし、根切りやエアレーションといった作業時に地中で当たることを防ぎます。
雑草を根からしっかり取っておけば、芝生を植えた後に生えてくる雑草の総量が少なくなり、手入れの手間を減らすことができます。また、ほぐすことが困難なほど塊になっているような粘土質の土も取り除きます。
芝生を貼る地面の土台を作る【土づくり】
掘り返して選別した土を、芝に合った土に改良していきます。
具体的にはまず、栄養のある土にしたり適度に水はけが良くなるように土壌改良を行います。また、整地で除去した粘土や石で減った分については市販の床土を追加します。
土壌改良材を使う
整地した土に土壌改良材や有機肥料を使って、芝に適した状態にします。水はけを改良したい場合には川砂を土に対して1~5割(量は状態による)混ぜます。
また、堆肥など市販の土壌改良材を混ぜて、栄養や適度な保水性などがある、芝生に合う状態の土にするとなお良いでしょう。余裕があれば、1週間ほど土を馴染ませてから芝張りをします。
市販の床土を使う
整地で不要なものを取り除いたために、土の量が足りなくなっている場合は市販の床土を追加します。市販されている床土はすでに芝生用に調整されているので、そのまま芝を張る土台に使用できます。
全面に床土を使えば手間が少なく土壌準備ができますが、面積が増えれば増えるほど費用がどうしてもかさんでしまいますし、元々の土の処分も必要になります。そのため、基本は元々の土を改良して使い足りない分だけ購入することをおすすめします。
芝生を貼る準備を整える【地ならし】
芝を張る面は平らにならしておく必要があります。レーキを使って地面をならし、踏板やローラーで表面を固めましょう。地面が平らになっていないと張った芝に凸凹ができてしまい、軸刈りのリスクがあがったり、水たまりができて病気の原因になってしまいます。
へこみを後から直ことは可能ですが、手間がかかるのでこの時点でならしておきましょう。切り芝の厚み分を引いて、周囲の地面より芝を張る面が2cmほど低くなるように調整します。
水が流れる向きを考えておく
地ならしをする際に、水勾配を作っておくと水はけを改善することができます。後から勾配をつけようとするととても大変なので、地ならしの時点でつけておきましょう。
芝生は水を好みますが、必要以上に雨などの水が土壌に溜まってしまうと根腐れや病気の原因になります。表面排水を改善するだけで余分な水が流れていくので、3%程度の傾斜を全体につけておくと良いでしょう。
芝はこの時点で準備する
地ならしが完了したら、ついに芝張りです。この時点で切り芝を準備しておき、地ならしが終わったら水をまいて芝張りをしましょう。
地ならしする際に切り芝の厚みがわかっていれば、グラウンドレベル調整の目安になります。切り芝を早く準備しすぎていたり張らずに放置すると乾燥して枯れてしまう可能性があるので、芝張りをする日程の目安がついてから購入すると良いでしょう。
まとめ:
失敗しない庭づくりはまず土から!
芝生をはじめて失敗したことがある多くの人が、「最初の整地をしっかりと行えばよかった」と後悔しています。芝は張ってしまうとなかなかその下の土壌を掘り返して調整することができません。
逆に言えば、最初にこれらの作業をしっかりと行うことで、芝に合った土壌や環境にすることができます。芝を迎える準備を万全にして、憧れの芝生の庭を手に入れましょう!