庭の見た目を美しく。そう考えて芝生の購入を検討している方の中には、「芝生は他の植物に比べて少しハードルが高いのでは…」と思っている方も多いかもしれません。ですが、庭を彩るには芝生以外にも種類があります。
今回はグランドカバーという植物選びの観点をご紹介します。グランドカバーとして芝生が適しているか、またどんなグランドカバーを選べばいいのかということを一緒に見ていきましょう。
目次
グランドカバーとは?
グランドカバーとは、言葉の通り地面(グランド、グラウンド)を覆う(カバー)植物のことです。踏まれても丈夫な植物や、日陰でも育つ植物、雑草が生えにくくなる植物など種類が多く、花が咲く植物から葉がきれいな植物まで幅広く色々な植物があります。
グランドカバーの特徴
グランドカバーの特徴は、
- 成長スピードが早い
- 定期的なメンテナンスが必要ないものが多い
- 花が咲く
- 冬は枯れて茎だけになる
- 耐寒性、耐病性が高い
このように、手入れが楽というのが魅力的な部分ではありますが、実際に放っておけばいいということではありません。植物の特性に合わせてメンテナンスを行ないましょう。
グランドカバーの定番
グランドカバーに使える植物のことをグランドカバープランツといいます。一般的にグラウンドカバーには縦に生長する植物ではなく、横に這性・匍匐性の性質を持つ植物が適しています。ガーデニングで余った庭のスペースや、雑草の発生を抑えたい時に植えることが多いです。
クラピア
ポピュラーなグランドカバーで、4月〜9月にかけてちいさな丸いかわいい花が咲きます。繁殖力が高く、他の植物の種子に入り込む隙を与えないため、雑草が生えづらい特徴があります。
クラピアの葉は柔らかいので、ペットやお子様のいる庭にも安心して育てることができます。
タマリュウ
深い緑色が美しいグランドカバーです。6月〜8月にかけて小さな淡紫色の花を咲かせ、冬には小さな青紫の実をつけます。
暑さや寒さに優れ乾燥や湿気にも強く、一年中緑色の葉を保ちますが、踏圧に弱いため景観用として植えるのがおすすめです。余計に広がることもないので、グランドカバーの中でも扱いやすい種類になっています。
タイム
ハーブの一種で、香りを楽しむことができます。高温多湿が苦手で乾燥している気候を好み、病気や害虫に強い性質を持っています。
中でも、這うように横に広がるクリーピングタイムがグランドカバーには適しています。
グランドカバーの選び方
グランドカバーを購入するにあたって、コストやどのくらい管理に手間がかかるかというのが気になるポイントです。
以下では芝生、クラピア、タイムの3つを比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。
初期コスト | 管理のしやすさ | 景観 | |
芝生 | 約1500円〜/㎡
管理のために、芝生以外にも最初に揃えなければいけないものが多い |
水やりや肥料、雑草などの対策、定期的に芝刈りが必要
春から夏にかけてはメンテナンスの回数が上がる |
美しい緑のカーペットを作ることができる。冬は休眠のため茶色に変わる |
クラピア | 約3000円〜/㎡ ※1㎡に約4ポッド必要 |
年に1〜2回の刈り込みだけで済む。ただ、繁殖力が強いので広がりすぎに注意 |
5月〜9月にかけて白やピンクの花が咲く 冬になると枯れる |
タイム | 約1500円〜/㎡ ※1㎡に4〜9ポッド必要 |
栄養がない土でも育つため、繁殖力が強い 暑さ、寒さには強いが蒸れに弱いので、梅雨前に刈り込みが必要 |
4〜6月にかけて花を咲かせます 基本的には常緑性の植物です |
※それぞれ品種によって値段も変わります。目安としてご覧ください。
初期費用の部分で見ると芝生の方が安く見えますが、メンテナンスのために揃えなければならないものが多いのは芝生のデメリットともいえます。
クラピアは繁殖力が強いので、最初から庭の広さの分のポッドを買う必要がありません。広い庭にグランドカバーを植える場合、結果的には芝生の方が初期費用が掛かることになるでしょう。
それでも、美しい緑で庭を彩りたいという方には芝生が絶対的におすすめです。
グランドカバーにおすすめの芝生は?
グランドカバーでは王道ともいえる芝生。見た目の美しさや気持ちよさなどは他の植物よりもグランドカバーに適しています。
ただ、芝生は一度植えると張り替えることが難しい植物です。グランドカバーをお庭の動線上に作るのか、景観用として空いたスペースだけに作るか、また育て方などによって芝生の種類も変えた方が良いでしょう。
高麗芝
高麗芝はお庭に芝生を張っている方の定番の芝です。
ホームセンターなどに多く置かれており、購入しやすくなっています。葉が丈夫で、踏みつけや病気に強いのが特徴。緩やかな成長のため、比較的メンテナンスしやすい芝です。
刈込みによって密度が細かくなり、見た目も綺麗な芝生にすることができます。
姫高麗
姫高麗は柔らかい葉が特徴で、踏みつけや病気に弱いものの、葉の色がとても美しく景観用で楽しみたい方に向いている芝です。
ただし、高麗芝よりも成長が早いのでメンテナンスの数は多くなります。その他の違いはこちらをご覧ください。
ティフトン
とても丈夫な品種で、スポーツに向いている西洋芝として利用されています。踏まれたり傷ついても回復力に優れているため、すぐに枯れたりすることがありません。
繁殖力が高く、横への成長が早いので、芝刈りの回数が他の芝よりも多くなります。しかし、その分密度が濃くなるので、綺麗な芝生を作ることができます。
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最後に
芝生は他のグランドカバープランツと比べて手入れが大変そう…と思う方も多いかもしれませんが、しっかりと手入れの方法を理解していれば、緑が美しいお庭を作り上げることができます。
もちろん、グランドカバーは必ず芝生でなければいけない!ということではないので、ご自分のお庭に合った植物を選んでみてください。