『しばふる』では芝生やお庭の手入れにまつわるポイントや知識を発信しています。芝の品種や土壌改良、芝刈りから芝の切り替えまで、様々なトピックをご紹介しつつ、みなさまからの質問にお答えするQ&Aもご用意しています。

オンラインストアでは、鳥取県のJリーグクラブであるガイナーレ鳥取が生産している芝生をご用意しております。お庭に敷いて水やりをすれば、早々に緑が広がっていく生長力の高い芝となっております。

さて、今回は趣向を変えて、芝生を育てる活動=芝活を行っている方にインタビューを行いました。お話を伺ったのは『つくばイクシバ!』さん(@tkb_ikushiba。新興住宅地に佇む公園の芝生を管理するボランティア団体について取材してきました。それではご覧ください。

目次

    一度は整備されたものの…
    竹園西広場公園の成り立ちと『つくばイクシバ!』発足

    東京・秋葉原からつくばエクスプレスで揺られること45分。茨城県つくば市にやってきました。つくば駅周辺を中心に区画整理され、マンションも多く立ち並ぶこの街の一角で、『つくばイクシバ!』は活動しています。

    今回訪れたのは竹園西広場公園。つくば市と民間企業による官民連携プロジェクトによって、もともと公務員宿舎だったところがマンションに建て替わり、それに伴って整備された公園です。芝生も整備の一環で張られましたが、芝生の維持管理が問題になっていました

    そこで、マンションのデベロッパーが公園近くにある企業に声を掛け、2020年6月に『つくばイクシバ!』が発足。キックオフにあたって、東京都内で活動している『イクシバプロジェクト』に依頼し、技術指導を受けました。そのため、『つくばイクシバ!』は『イクシバ』の名前を暖簾分けしたような形になっています。

    行政と民間が連携して公園を整備するプロジェクト
    つくば市の『アダプト・ア・パーク』とは?

    以来、市役所に掛け合って補植を行ったり、夏場はボランティアが水やりを行ったりと、竹園西広場公園はつくば市と『つくばイクシバ!』が協働で管理するようになりました。

    つくば市内には300を超える公園があり、それらを全て行政で管理するのは大変なので、一部の公園をアダプト・ア・パーク』というプロジェクトとして民間と連携、管理しています。『つくばイクシバ!』が整備作業を行い、つくば市がそれをバックアップするという体制で、つくば市からは活動に関する保険や備品が提供されています。

    雑草取りから芝刈り、水やりまで。
    広々とした公園でのびのび芝活をする贅沢さ

    この日の活動は雑草取りからスタート。あまり広くはない公園ですが、それでも作業するとなるとなかなかの広範囲。手分けしてザクザクと雑草を取り除いていきます。

    ある程度作業が進んだところで、数人が芝生を離れて芝刈り機を手にします。シャーッと音を立てて草が刈られていくその様子は、見ているだけでも気持ちよさそう。刈りムラが出ないように気を付けながら、芝生を往復していきます。

    この日は丘の芝刈りも敢行。ケガに注意しながら斜面を刈っていきます。

    ひと通り芝刈りを終えたあとは、ホースを伸ばしてきて水やりを少し多めに。「ほら、虹が出てるよ!」と参加していた子どもに教えてもらいました。

    作業終了後は…「プチトーク」でその日の振り返り

    水やりが終わったら、道具を片付けて作業終了。その後は芝生にゴザを引いて、その日の活動の振り返りを行う「プチトーク」の時間です。芝の伸び具合、雑草の量、水の撒き方など、青空の下でのびのびと意見交換を行います。

    なお、作業以外のイベントは「プチトーク」に限らず、秋は廃棄物をコンポストに入れたり、冬は作業を始める前に体操をしたりと、時期に合わせて趣向を凝らしているそう。

    マイビブス、マイ雑草抜きを持つ人も。
    飛び入りもちょい乗りもウェルカム

    「芝生のことは何も分からなくても大丈夫です。初めての方には作業のやり方をきちんとレクチャーしますし、誰でも参加しやすいように心掛けています」と、『つくばイクシバ!』代表の田崎さんは語ります。

    「筑波大学の学生が都市開発の研究として参加してくれたり、ミスコンの方がいらっしゃったこともあります。それと、活動日は参加者の方に『つくばイクシバ!』のビブスを配布しているんですが、ご自身でビブスの管理をしてくれる方がいらっしゃったり、マイ雑草抜きを手に入れて、活動日以外も自主的に竹園西広場公園で作業をしてくださる方もいます。後者の方のことは、こっそりとされていることが多いので、私達の間では“コソ活”なんて呼んでいます(笑)」

    休日の公園で活動していることもあって、お邪魔した当日も、公園に遊びに来た子連れのファミリーに挨拶をしたり、かんたんな会話を交わす風景も。活動が地域に溶け込んでいる様子が窺えます。

    「無理せず、楽しく、できる範囲で行うことにしています。会員制ではないし、飛び入りもちょい乗りも歓迎しています」

    親御さんに連れられてきた子供が水を撒いたり、活動が始まった頃から参加していた子どもが施肥マイスターと呼ばれるまでに上達するなど、年齢を問わずコミュニティの輪が広がる『つくばイクシバ!』。竹園西広場公園のふかふかなティフトン芝は、これからもつくばの人々をつなげ、優しく包み込むことでしょう。

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