「なんとなく聞いたことはあるけど、実際にやったことはない…」

なんだかめんどくさそう…」

そんな印象を持たれることも多いエアレーションですが、実は芝生のコンディションを左右する重要なお手入れなのです。

筆者は芝張り3年目からエアレーションを開始。本当に意味があるのか半信半疑で始めたものの、すぐに効果を実感する機会が!

大雨のあとに、いつもなら芝生にできていた水たまりが発生しなくなっていたのです。排水性が上がるとはこのことか!と驚きました。その後の生育も良好で、エアレーションをしておいて本当によかったと思っています。

それでは、エアレーションの効果とやり方について、詳しくご紹介しましょう。

目次

    芝生のエアレーションとは?

    芝生のエアレーションとは、芝生に刃などを突き刺して穴を開けていく作業のこと。なぜそんなことをするのかと言うと、エアレーションには以下の効果があるからです。

    1. 土壌の通気性改善
    2. 土壌の排水性改善
    3. 芝生の根の発達促進

    エアレーションをすることで、芝生の仕上がりが格段に変わります。特に、ふかふかとして密に生える芝生を目指す場合、必ず必要となるお手入れのひとつです。エアレーションがもたらす芝生への効果について、詳しく見ていきましょう。

    土壌の通気性を改善する

    エアレーションでは地面に穴を開けていくため、土壌の通気性が向上します。土壌の通気性が上がり、芝生の根や土中の微生物が呼吸をするのを助ける働きがあるのです。

    芝生に限らず植物全般に言えることですが、植物は根から酸素を取り込んで呼吸をしています。そのため、土に空気が少なくなると呼吸ができなくなり、生育が衰えてしまうのです。

    とりわけ芝生は人に踏み固められやすい環境にあるため、土が固くなりがちです。土が固くなってしまうと、通気性が悪くなり、根の働きが年々悪化することになります。

    そこで定期的なエアレーションを行えば、踏み固められた土を効率的にほぐすことができます。エアレーションによってほぐされた土が酸素を取り込み、根に空気を行き渡らせる効果があるのです。

    土壌の排水性を改善する

    エアレーションで土をほぐしていくことは、土壌の排水性向上にも役立ちます。水が染み込みやすい土にすることで、芝生の健康的な生育を助けることができるのです。

    一方、土壌の排水性が悪くなると芝生がジメジメするようになり、病気になりやすくなってしまいます。また、芝生に水が溜まると苔や藻、そしてキノコが生えやすくなり、景観の清潔感を損ねることにもつながります。

    根の発達を促進する

    エアレーションで芝生に穴を開けると、芝生の根を切ることになります。実は、この根切りが芝生の生長にとって効果的なのです。

    切った刺激によって根の伸びが促され、よりしっかりと深くまで根付かせることができます。芝張りから2〜3年目以降、生育が一段落した芝生に刺激を与えることで生長を再開させ、芝生の密度を上げることができますよ。

    エアレーションのやり方詳細

    エアレーションの具体的なやり方について見ていきましょう。必要な道具、作業手順、作業時期、注意点の順に紹介していきます。

    道具

    エアレーションには、次の道具を用意しましょう。

    • ローンスパイク(上写真)または、ガーデンスパイク
    • 運動靴
    • 軍手 ※ローンスパイクを使用する場合

    ローンスパイクは足で踏み込んで土に刃を突き刺す道具です。対して、ガーデンスパイクは靴の裏に針のついたスパイクを取り付け、歩くことでエアレーションできる道具です。

    刃の長さ分、ローンスパイクの方がエアレーション効果は高くなります。一方、手軽さはガーデンスパイクの方が上のため、自分のお手入れスタイルによって好きな方を使ってみましょう。

    作業手順

    ここではローンスパイクを使った作業方法について説明します。

    1. 刃が錆びている場合は研ぐ
    2. ローンスパイクを足で地面まで踏み込み、芝生に穴をあける
    3. スタート地点から後ろに下がりながら穴を開けていく
    4. 穴を見ながら、均等になるようにまっすぐ進む
    5. 作業後は、ローンスパイクの刃を軽く洗い水気を取る

    エアレーション効果を高めたい場合は穴の間隔を小さくし、作業時間を優先したい場合は間隔を空けてください。後ろに下がりながら穴を空けていくと、穴の位置がわかりやすいので、間隔を調整することができます。

    ちなみに、芝生の土が濡れている時に行うと労力が少なくて済みます。水やりとセットで行うとよいかもしれません。

    時期

    エアレーションは以下の時期に行うと効果的です。

    年1回のエアレーションを行うだけで、芝生の調子が変わってきます。2月下旬に芽吹きを促進するために行う更新作業時、または5月の梅雨前に実施しましょう。

    注意点

    エアレーションを行う際の注意点は次の2点です。

    • 必ず軍手や運動靴を着用して作業する
    • 花壇や植木の近くはエアレーションしない

    それぞれ詳しく見ていきましょう。

    軍手や運動靴を装着して作業する

    エアレーションはかなり力の要る作業です。使用する道具には刃物が付いているので、サンダルや素手などで作業すると思わぬ怪我につながる可能性もあります。

    事故を防ぐためにも、軍手などの厚手の手袋や、靴底がしっかりとした運動靴などを着用の上、注意して作業するようにしてください。

    花壇や植木の近くはエアレーションしない

    エアレーションは根を切る作業のため、根を傷つけては困る植物が近くに植えてある場合は注意が必要です。

    芝生を植えているエリアに直接植木や草花を植えている場合、作業に巻き込まれて根を傷つけてしまう場合があります。植木や草花の周囲はエアレーションを避けましょう。

    まとめ

    労力の割に効果が地味に感じるエアレーションですが、ワンランク上の芝生を目指す場合は絶対にしておきたいお手入れです。土壌をほぐし、根の生育を促すことで芝生の健康状態が良くなります。

    手をかけた芝生は必ず努力に応えてくれます。「エアレーションをしていてよかった…!」と思える日が必ずやってきますよ!

    コメント一覧コメント一覧

    大塚敏之
    21/02/2023 22:09

    昨年、TM9からつくば姫に張り替えました。
    昨年秋には、綺麗な芝生になり、晩秋にペレニアルライグラスをオーバーシードしました。
    これからエアレーションを考えていますが、地温を上昇させる目的で目土もしようと思っています。床土が硬く感じローンパンチでエアレーションした方が良いのか、また毎年必要なのか、頻度はどれくらいが理想なのかを知りたいです。
    広さは、90㎡ほどで水捌けは今ところ問題ありません。(水勾配を付けている)
    目土はどんな土を使うのか知りたいです。
    砂、瓦チップ、竹チップも視野にあります。

    返信

    しばふる
    24/02/2023 18:32

    水捌けが悪くなく芝生がしっかり育つ環境されているのでしたらそのままでもいいかもしれません。エアレーションに関しては毎年される方もいらっしゃいますが、わたしは水捌けや床土が固いと感じる箇所のみ行っています。効果は一定あると思いますのでどの程度の芝生を目指すかにより全面的に行うなど管理方法も変わってくるのだと思います。参考になれば幸いです。

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