植物の手入れでは基本中の基本である水やり(散水)。もちろん芝生にも重要な手入れの一つですが、水の量や頻度を意識して行っていますか?

時間帯や季節、芝生の種類によっても必要な水の量は変わってきます。いつでも元気な芝生を保てるように散水のポイントをおさえておきましょう。

目次

    芝生の水やりで気をつけなくてはいけないこと

    芝生の水やりは奥が深く、長く育成している人でも試行錯誤を続けています。地域や土壌、日当たりによっても適切な水の量が変わるため、完全な正解はありません。自分自身でよく観察し、その土地に合った水やりをすることが重要です。

    水が不足すれば枯れてしまうのはもちろん、水が多すぎても根腐れや病気の危険性があります。

    芝の水やりはいつ、どのくらいやればいいのか

    実際のところ、芝生の水やりは「いつ」「どれくらい」水を与えればいいのでしょうか。

    水が少なければ枯れる原因になりますが、多すぎても根が成長しない原因となりますので土壌の感想具合や芝生の状態を確認することが大切です。土壌の水はけが良くない場合はエアレーションなどの手入れが必要でしょう。

    涼しい時間帯に水やりをする

    散水する時間帯だけは明確に正解があります。それは朝の涼しい時間帯(9時以前)です。

    朝に水やりをすると、芝生が水を吸水しつつ適度に土壌にはけることができます。太陽光が当たるタイミングで水が与えられることで芝生も元気に育ちます。一方、昼中など気温の上がる時間帯は、かけた水がすぐに熱されてしまい芝にダメージを与えてしまうので避けましょう。

    夜は涼しいのですが、与えた水がすぐにはけずに土壌がジメジメしたままになってしまうので、苔の発生や病気の原因になるので良くありません。

    芝の状態で水の量を確認する

    水が足りない時、芝生は葉を丸めて水分の蒸発を防ごうとします。針金のような葉になっていたら水切れなので散水を行いましょう。

    水切れする直前に与えることで、芝生はしっかりと根を伸ばし強く育ちます。芝生の根は一般的に10~20センチほど伸びます。

    与えた水が土壌にはけつつ、適度にとどまっている状態がベストです。

    水はけに注意

    逆に水が多すぎる場合は地表に苔や藻が出ていたり葉に病気が出てきます。その時には水の量を調整することも大切ですが、土壌の状態にも目を向けましょう。

    水はけが悪い状態になっている場合はエアレーションなどを行い土壌改善します。

    時期に合わせた水やりの頻度

    基本的には芝生が成長する時期には水をたっぷりあげる必要があります。気候に合わせて調整をし、適切な頻度で水やりを行いましょう。

    また、目土いれをした、肥料を散布したなど手入れを行った後にも水やりを行います。

    季節ごとの水やり頻度

    基本的には芝生が成長する季節には水を適度に与えます。季節ごとの散水目安は以下の通りです。夏芝は少なめの、冬芝は多めの数を参考にしてください。

    • 春:週に1~2回
    • 夏:週に2~4回
    • 秋:週に1~2回
    • 冬:基本的には水やりしない

    土地やその年の気候にもよりますので、あくまでも一例として目安にしてください。極端に雨が降っていない、気温が高いなど乾燥している場合は追加で水を与えるなど調整しましょう。

    逆に与えすぎていると土壌の中に保たれている水が残っている状態でさらに水を与えると根を伸ばさなくなり弱い芝生になってしまうので注意しましょう。

    芝を張った後の水やりはこまめに

    芝を張ったばかりの頃は水切れにとくに注意しましょう。張ったばかりの芝生は根が短いため、水分を多く吸収できません。

    表面が乾いていたら水をやるようにし、根付いたのが確認できたら頻度を落としましょう。

    肥料の後の水やりも重要

    肥料を与えた後や目土した後にも水やりをします。特に、肥料は濃度が高くなると肥料やけを起こしてしまうため、与えた後はしっかりと水やりをしましょう。

    芝の種類によって水やりの頻度が変わる

    芝の種類によっても必要な水の量や頻度が変わります。芝生には寒い土地を得意とする寒地型芝(冬芝)と暑い土地を得意とする暖地型芝(夏芝)があります。

    西洋芝は冬芝が多く、乾燥に弱いため春~秋にかけてこまめに水やりする必要があります。一方、日本でよく育てられている夏芝は暑さに強いため、原則は夏以外の水やりはなくても成長することができます。

    冬芝は3~11月までしっかり水やりを

    西洋芝は葉が柔らかく緑色が濃いのが特徴です。日本で育てられている西洋芝の多くは冬芝で、北海道から関東まで、もしくは本州の標高の高いところで育てられています。

    15~20℃が成長の適温なのでそれ以上もしくはそれ以下になると成長を止めてしまいますが、年中を通して緑色を保ちます。

    冬芝は3~11月の間は水やりをする必要があります。春・秋は成長促進のために、夏場は暑さで枯れてしまう危険があるので乾燥しないように水を与えましょう。

    主な冬芝の種類
    • ペントグラス
    • ライグラス
    • フェクス

    夏芝は暑い時期以外水やりしなくても大丈夫

    日本芝はチクチクと固い葉が特徴で、日本の高温多湿の気温にも強いです。その日本芝を含めた夏芝は、冬に表面の葉が枯れて休眠して春に復活するという特徴があります。

    暑さに強いとはいえ、乾燥しすぎると枯れてしまいます。高温になりやすい夏付近(6~9月)には水やりを行いましょう。

    また春や秋でも雨があまり降らなかったり高温になるようなら週に1度程度は水やりをしましょう。

    主な夏芝の種類
    • 高麗芝
    • 野芝
    • TM9
    • バミューダグラス(西洋芝)

    まとめ:
    元気な芝生のために天気や季節に合わせて調整を!

    芝生の水やりは土地や気候によっても調整する必要があるため、明確な正解がありません。水分量や時期・時間帯のポイントをおさえつつ、芝生の品種に合わせたやり方を見つけましょう。

    芝生と土壌の観察を欠かさずに根気良く適正な量を探していきましょう。

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