「庭に芝生を張りたいけど、コストがかかりそう」こんなお悩みはありませんか?芝生の庭を低コストで実現させるために、種から育てるという方法があります。
芝生が生え揃うまでに時間がかかるなどデメリットはありますが、種から植える方法は手軽で、コストが押さえられる他にも、「庭のほんの一部分だけを芝生にしたい」という希望も叶えることができます。
今回は、芝生の種まきに適した時期をご紹介。種まきに失敗しないための手順、また整地方法についても触れていきますので、参考にしてくださいね。
目次
芝生の種まきに適した時期は種類によって違う
芝生には大きく分けて暖地型芝と寒地型芝があり、それぞれ持ち合わせた特性によって種まきに適した時期が異なります。ただし、暖地型芝に分類される高麗芝は発芽率が弱いこともあり、種の販売はされていません。
次からそれぞれの種まきに適した時期を紹介していきます。
暖地型芝の種まきに適した時期
野芝などの日本芝・バミューダグラスなど一部の西洋芝の場合
寒冷地 | 適していません |
中間地・暖地 | 4月から5月、8月下旬から9月前半 |
暖地型芝が発芽する適温は20度以上で、最も育成が盛んになるのは25度~30度の間です。
また、暖地型芝は平均気温が15度以下になると休眠を開始するため、寒冷地での育成には向いていません。寒冷地にお住まいの方は、寒さに強い寒地型の芝生を選ぶと、一年中芝生を楽しめます。
寒地型芝の種まきに適した時期
ベントグラス類、ブルーグラス類などの西洋芝
寒冷地 | 5月から8月 |
中間地・暖地 | 3月から6月、8月下旬から10月 |
寒地型芝の発芽適温は15度以上で、15度〜25度が育成の最適な温度です。
寒地型芝は非常に寒さに強く、氷点下でも枯れることはありません。一方で暑さには弱く、平均気温が22度を超える日が2ヶ月以上続くと夏枯れしやすくなります。
中間地・温暖地で種まきをおこなう場合は、春より秋がおすすめ。種まきして数カ月しか経っておらず不安定さが残る芝生は、初めて向かえる夏の暑さに耐えられずに枯れてしまう可能性があるからです。
※ここまで紹介してきました適している時期はあくまで参考です。温度は毎年変化しますので、適時対応してください。
芝生の種まきに失敗しないためには整地が大切
芝生の種をまくには、時期の他に芝生が育つ土壌の整地も重要です。
芝生は固い土では育成しません。また、水はけが悪い土壌だと芝生が病害の被害を受けやすくなるため、芝生がよく育つ土壌へ改良する必要があります。
ここからは芝生が好み元気よく育っていく土壌の作り方を紹介していきますので、参考にしてください。
草取り
まずは雑草を取り除きましょう。雑草の生命力は非常に強く、芝生が生長するために必要な土壌中の栄養を奪い取ってしまいます。
また、雑草は日光を遮り、芝生の育成に必要な光合成も妨げてしまうおそれがあります。手で抜けきれないほど雑草の量が多い場合は、除草剤を使用するのも一つの方法です。
なお除草剤を選ぶ際は、雑草の種類によって複数の除草剤を散布するより、全ての雑草に対応できる「非選択性」のものを選ぶと手間が省けます。
加えて散布後は短期間で薬剤が分解されるものを選びましょう。除草剤効果が長いと、芝生の種まきが先延ばしになってしまいます。
手で抜く、または薬剤の持続性や残効性がない非選択性の除草剤を使用して雑草を取り除きましょう。
耕して柔らかく平らにする
柔らかく平らな土壌にするために耕しましょう。芝生は固い土では生育せず、柔らかい土で根を良く伸ばす特性があります。
芝生は地中に10センチ〜30センチほど根を伸ばすため、地表から30センチほどを掘り起こし、固い土壌を柔らかくしましょう。
土壌を耕しながら、デコボコしている箇所は平らに整地していきます。デコボコしている土壌は大雨の後などに、低くなっている部分に水たまりができやすくなります。水たまり部分の芝生は根腐れをおこしたり、ジメジメした環境の中で病害の被害を受けやすくなってしまいます。
芝生を病害のリスクから守るためにも、土を柔らかく耕しながら、平らに整地していきましょう。
水はけの良い土壌作り
芝生は水はけのよい土を好み、良く育ちます。ご自宅の土壌が芝生の育成に向いているのかどうかを調べたい場合は、土に水分を含ませて手でこねてみましょう。
棒状に固まってしまった場合は、土を改良する必要があります。川砂などを混ぜ、さらさらした土にして水はけのよい土壌にしましょう。
肥料を混ぜる
芝生は発芽に必要な栄養を地中から吸い取ります。そのため発芽とともに土壌の養分は減少していき、育成に必要な栄養が不足がちに。
緑豊かで元気な芝生が育つためには栄養が必要です。そのため、土に芝生専用の肥料を混ぜましょう。種まき前に土に肥料を混ぜておくことで、芝生の育成を促すことができます。
芝生の種まき方法
整地後は実際に種をまいていきます。次の手順で行っていきましょう。
①地表に溝をつくる
整地した土壌に、約10センチ間隔で1センチほどの溝を作ります。
この際、レーキやトンボなどを使用すると便利です。
②芝生の種をまく
溝に種を蒔きましょう。芝生の種は非常に細いため、1粒ずつではなく適量を均等に蒔きます。
コツは、何度か方向を変えてまくこと。1回でまこうとせずに、縦・横・斜めと方向を変えて満遍なく蒔きましょう。
種の蒔き方が偏っていると、生え揃った際にまばらな芝生になってしまうおそれがあります。散布機を使用すると容易に均一に蒔けるので、利用してみてもよいでしょう。
③最初に作った溝を埋める
①で作った溝を埋めるように、レーキを使用して地面を掻きましょう。
この作業によって、蒔いた種にまんべんなく土がかかります。
④目土をする
蒔いた種を覆うように厚さ2~5ミリの目土をしましょう。
目土は蒔いた種の乾燥を防ぐとともに適度な温度を保ってくれるため、発芽を促進することができます。目土をおこなう際はふるいを使用すると、一カ所に固まらず便利ですよ。
⑤水やりをする
目土後は種が流れないように水やりを行いましょう。その際、水の勢いでせっかく施した目土が流れないよう注意します。
元の土壌と目土を水やりによって馴染ませると、蒔いた種の飛散を防ぐ効果もあります。
芝生の種まき後の注意点
蒔いたばかりの種は非常にデリケートな状態です。発芽を促し、元気よく生長してもらうためにも次の2点に注意しましょう。
- 水やりを欠かさない
- 1ヶ月程度は立ち入らないようにする
こちらもそれぞれ見ていきましょう。
水やりをかかさない
種蒔き後、約1ヶ月間は種を乾燥させないように頻繁に水やりを行いましょう。
芝生は種まきから3週間ほどで発芽し、およそ1ヶ月で徐々に根付きます。蒔いたばかりの芝生の種に乾燥は禁物。乾燥によって枯れてしまう可能性もあります。
そのため、発芽して根付くまでの約1ヶ月間は適時水やりを行ってください。
1ヶ月程度は立ち入らないようにする
種まき後、約1ヶ月は立ち入らないようにしましょう。芝生が根付く前に踏み付けてしまうと、芽が切れてしまう恐れがあります。
小さなお子さんやペットがいるお宅は、芝生がしっかりと根を張るまでの1ヶ月程度は、誰も立ち入ることがないように見守りましょう。
まとめ
芝生を種蒔きからおこなうと、生え揃った際の「一から育てた達成感」が正にひとしお。ムラができやすい傾向もありますが、気になる場合は種を追い蒔きする方法もあります。
生え揃うまでには時間が掛かりますので、できるだけ早く芝生の庭を楽しみたい人は、芝生ロールを選択方法もあります。しばふるオンラインストアではティフトン芝をロール販売していますので、合わせてご検討ください。