緑多い芝生のお庭は癒し効果抜群ですね。実はそんな芝生にさまざまな種類があるのをご存じですか?
一般的な家の庭からゴルフ場など、もっとも幅広く使われているのが高麗芝。今回は高麗芝に焦点をあててどんな種類があるのか、特徴や年間のお手入れ方法を紹介していきます。
目次
高麗芝ってどんな種類?
芝生は大きく分けると暖地型芝と呼ばれる日本芝と、寒地型芝と呼ばれる西洋芝に分類されます。高麗芝は前者の暖地型芝の一種であり、イネ科シバ属に属します。
日本芝は昔から日本に自生している芝生。対して西洋芝は明治時代以降に日本に入ってきたものです。
高麗芝の特徴
高麗芝の見た目の特徴は、葉が細かく密度が高いところ。踏み圧にも強いため、ゴルフ場のフェアウェイやグリーンで使用されることも多いほか、一般的な家庭で芝を張るといった場合「大抵は高麗芝」といっても過言ではないくらい、もっともポピュラーな芝生です。
高麗芝はホームセンターやネット通販で購入できます。束売りが一般的であり、一束の内訳は37cm×30cmの大きさの切り芝が9枚入り。店舗によって価格の差はありますが500円~900円が相場です。ネット通販の場合は別途送料がかかる場合がありますので、お求めの際はよく確認してくださいね。
高麗芝は発芽する割合が低いため、種の販売はされていません。よって高麗芝で芝生の庭をつくるには切芝を張るのが一般的です。
高麗芝の育て方と手入れ方法
ここからは高麗芝の育て方とお手入れ方法を、月ごとにみていきましょう。
1月の手入れ
1月は休眠しています。見た目は茶色く枯れたような状態に。この状態の時に行うお手入れは、雑草取り以外ほぼありません。
芝生に雪が積もっても解けるまで放っておいて問題はありませんが、霜が降りたときは注意が必要です。霜柱が立って芝生が根ごと持ち上がってしまった場合は、放っておくと枯れてしまう恐れがあります。
霜柱が溶けてからしっかりと踏んで、芝生が土に触れている状態にしてくださいね。
2月の手入れ
高麗芝は2月も引き続き休眠していますが、春の芽吹きに備えて下旬あたりから更新作業を始めましょう。更新作業とは、休眠期を終えた芝生が生長しやすいように硬くなった土壌を柔らかくしたり通気性を良くするために穴をあけたり、目土したりして環境を整えていく作業です。
芝生の根が活動しだす2月下旬に更新作業を行うと、芝生の芽吹きが早まり、さらには緑豊かな芝生に生長しますよ。
3月の手入れ
高麗芝は3月に入ると徐々に芽吹き出します。2月に更新作業がおこなえなかった人は、できるだけ早めに更新作業をおこないましょう。3月の育て方、お手入れは次のとおりです。
芝張り・張り替え
平均気温が15℃~18℃となる暖地では、芝を張ったり張り替えたりするに適した時期となります。しかし3月は気温が低くなる日もありますので、先々の予報を確認しながら行ってください。気温が低い日が続くと根付きに時間を要してしまう恐れがあります。
肥料散布
芝生の生長を促すために散布量を守り、与えます。肥料には毎月または隔月で散布するなど、さまざまなものがあります。ご使用中の肥料の取り扱い説明書をよく確認して散布してください。
除草
雑草も育つ季節です。こまめに抜くようにしましょう。
水やり
芝を張ったばかり・肥料散布後の場合は必要ですが、それ以外は基本的に必要ありません。
芝刈り
必要ありません。
4月の手入れ
4月に入ると高麗芝は緑になり始めます。しかし気温の上昇に伴い、害虫や病原菌も活動的になります。芝生が被害を受けないよう、日々様子を見るのがおすすめです。症状があらわれた場合は殺虫剤などで早めに対処しましょう。4月のお手入れは次のように行います。
芝張り・張り替え
中間地・暖地では芝張りや張り替えに最も適した時期です。気温の上昇につれ根付きも早くなるため、芝張りの成功率も高くなるでしょう。
肥料散布
散布量を守り、与えます。
除草
雑草も元気よくなりますので、こまめに抜くようにしましょう。
水やり
芝を張ったばかり・肥料散布後の場合は必要ですが、それ以外はほぼ必要ありません。
芝刈り
徐々に伸びてきますので、必要に応じて行ってください。
5月の手入れ
芽吹きだし、緑の芝生が出来上がってきます。次のお手入れを行いましょう。
芝張り・張り替え
芝張りや張り替えに適した時期です。気温の上昇につれ根付きも早くなり、梅雨前ですので水やりも楽になりますよ。
肥料散布
芝生の生長が盛んです。適切に肥料を与えてください。
除草
雑草も生長が盛んになります。こまめに抜いてくださいね。
水やり
5月の後半あたりは気温も高くなってきますので、芝生も乾燥しやすくなります。葉がしおれて針状になり始めたら、水不足のサインです。観察しながら適宜水やりしてください。
芝刈り
芝生がグングン生長します。週に1回程芝刈りを行いましょう。こまめに芝刈りを行うと密度があるきれいな芝生に仕上がりますよ。
目土
凹凸が気になる箇所には目土をしましょう。芝生の根の保護にもつながりますので、密度も上がります。
エアレーション
月に1度ほど行うと芝生が活性化します。
6月の手入れ
6月から8月までは芝生の旺盛シーズンです。梅雨のじめじめした時期は病原菌が活発になるため、梅雨入りする前にエアレーションやサッチングを行い、土壌環境を整えましょう。
肥料散布
散布量を守り、与えます。
除草
雑草もよく育ちます。こまめに抜きましょう。
水やり
梅雨に入り、雨が降れば必要ありません。しかし空梅雨で温度が高い日が続く場合は適宜水やりしてください。
芝刈り
週1ペースで行います。梅雨に入り雨が続くと芝刈りができなくなるため、天気予報を確認して出来るときに行いましょう。
目土
エアレーションやサッチングとセットで行います。
エアレーション
梅雨前に行いましょう。
サッチング
梅雨前に行います。
7月の手入れ
梅雨あけ、高麗芝は全盛期です。気温が高くなってきますので、水不足にならないよう注意してください。
害虫や病原菌も活動的な時期ですので、芝生が被害を受けないように日々の観察がおすすめです。7月は次のようなお手入れをしましょう。
肥料散布
散布量を守り、与えます。
除草
夏の雑草が生えてきます。見つけたらこまめに抜きましょう。
水やり
梅雨があけたら1~2日おきに水やりします。水やりは地面の奥深くまで水がしみこむようにたっぷりと行うのがポイントです。
芝刈り
梅雨があけたら週1ペースで行います。
8月の手入れ
8月は高麗芝が一年で一番生長します。綺麗な芝を保つために次のようなお手入れをしましょう。
肥料散布
散布量を守り、与えます。
除草
雑草も生長が盛んな時期です。見つけたら早めに抜きましょう。
水やり
1~2日に1回のペースで行ってください。
芝刈り
週1ペースで行います。
9月の手入れ
気温が下がるとともに、芝生の生長も少しずつ勢いが落ちてきます。9月は次のようにお手入れをしましょう。
肥料散布
散布量を守り、与えます。
除草
こまめに抜きましょう。
水やり
残暑が厳しい場合は8月と同様1~2日に1回水やりし、気温の下降とともに頻度を落としていきましょう。
芝刈り
真夏ほどの勢いはありませんが、まだまだ伸びますので週1ペースで行います。
10月の手入れ
気温が下降するにつれ、だんだん生長が止まります。シーズン納めの刈り止めを行いましょう。
肥料散布
散布量を守り、与えます。
除草
こまめに抜きましょう。
水やり
気温も下がってきますので、週に1~2回程度行います。
芝刈り
生長の勢いが落ちてきますので10日~2週間に1回程度の芝刈りで十分です。生長具合はその年の気候にも影響されますが、だいたい10月下旬あたりから11月初旬に今シーズンの最後の芝刈りとなる「刈り止め」を行います。
11月の手入れ
肥料の散布も最後の月。生長が止まります。
肥料散布
ご使用中の肥料の取り扱い説明書に従ってください。大半の肥料が11月で最後の散布となるでしょう。
除草
こまめに抜きましょう。
水やり
基本的には必要ありません。
芝刈り
10月に「刈り止め」を行っている場合は必要ありません。
12月の手入れ
高麗芝は休眠に入りますので、雑草取り以外のお手入れは必要ありません。
まとめ
芝生の基本のお手入れ法は「肥料」「水やり」「芝刈り」「除草」です。
年間を通してみると、休眠期に行うお手入れはさほどありませんが、春の芽吹き前から旺盛期にかけては労力が要る作業が多いですね。
しかしこれも「綺麗な芝生のお庭があるお宅」の醍醐味なのでしょう。