お手入れ中に害虫を見つけてしまった!気味が悪いし、ショックですよね。
でも心配しないでください。芝生の害虫が発生しやすい環境を理解し、適切な駆除法をしっかり押さえておけば問題ありません。
裸足で走り回ったり、直接座ってのんびりしたり…思いっきり緑を楽しむために、害虫への理解を深めましょう。
目次
芝生の害虫の基礎知識
芝生の害虫について知っておきたいことは次の4つです。
- どんな害虫が来るかを知る
- どんな被害が出るかを知る
- 害虫の見つけ方を知る
- 害虫が発生しやすい環境を知る
芝生にはどんな害虫が来るのか
芝生を手入れしていると様々な害虫を見つける機会がありますが、それぞれの害虫ごとに特徴があり、駆除や予防法も異なります。
芝生の害虫① コガネムシ
芝生で見かける中で、一番の害虫ともいえるコガネムシ。成虫が飛来して地中に産卵、地中で孵化した幼虫が芝生の根を食害します。
コガネムシがいる場所の芝生は、そのまま放置してしまうと根がほとんど残りません。軽く引っ張っただけですぐに抜けてしまいます。
芝生の害虫② ヨトウムシ、ツトガ
ヨトウムシはヨトウガ、ツトガの幼虫で、芝生の葉を中心に食害をもたらす食欲旺盛な害虫です。青虫タイプの虫で、大量発生すると景観にも悪影響を及ぼしたり、芝生が丸坊主になってしまうこともある恐ろしい害虫です。
主に日中は地中に潜ってじっとしており、夜間から明け方に地表に出てきて葉を食べます。
芝生の害虫③ アリ
アリは芝生に直接の害をあたえる虫ではありません。しかし、せっかくの芝生にぽっかりと穴を開けてしまうため、芝生の景観を損ねます。また、アリが大量に巣を作ると家の中にアリの侵入を許すことが多くなるという二次被害も。
子供が裸足で駆け回るときには、アリに噛まれる可能性も高くなります。安心して芝生を楽しむためには、アリの巣を作らせないことが大事です。
芝生の害虫④ ミミズ
ミミズが発生しやすいのは、梅雨の時期と、夏の暑さが過ぎた秋口です。ミミズは土壌を改善してくれるので、ミミズ塚を崩す程度で十分です。
ただし、ミミズの存在を不快に感じたり、ミミズ塚が芝刈り機にダメージを与えたりする場合は対策が必要です。
また、ミミズが大量発生するということは、お手入れの状況や環境について見直した方がよい場合があります。湿気が多くジメジメしていて、サッチなどが堆積しているなど、芝生の健康にとって良くない環境となっているケースがあるからです。
芝生にどんな被害が出るのか
芝生の手入れ中に以下のような症状を見つけたら、害虫を疑いましょう。
- 土が盛り上がったような場所がある
- 芝生がところどころ剥げている
- 芝生に鳥やジバチがよくやってくる
- 芝生に直径1cm程度の穴が開いている
- 芝生の色が悪い箇所がまばらに存在する
- 芝生の上に抜け殻のようなものが落ちている
害虫の見つけ方
被害が大きく、比較的見つけづらいコガネムシとヨトウムシ、ツトガの見つけ方を見ていきます。
コガネムシの場合、被害箇所をスコップ等で軽く掘り起こし地中を探すか、大雨・大量に水やりをしたあと、芝生を見回ると見つけることができます。コガネムシは水が苦手なため、地表に出てくることがあるからです。
ヨトウムシ、ツトガの場合は、夜間または早朝に芝を見回るとよいでしょう。
害虫は、環境が合えばあっという間に増えていきます。1つでも違和感を見つけたら、すぐに原因を見つけ出して、対策を講じることが大切です。
害虫が発生しやすい環境とは
- 芝刈りを怠っている
- 水をやりすぎている
- 極端に水やりをしていない
- 枯れ葉やサッチを放置している
- 家の明かり等で、夜間も明るい
害虫の被害に遭わないためには、なによりも芝生の環境を整えることが不可欠。特に、
- 衛生的に管理すること
- 夜間に明かりをつけないこと
- 適切な手入れをすること
これらを徹底することで、自然と害虫の数を減らすことができます。
手入れされずに放置されている芝生は、虫たちの絶好の住処になります。害虫にとって快適な環境になってしまっていないか、まずは普段のお手入れを見直すことが大切です。
どうやって害虫を駆除するのか
ただ、いくら手入れをしていてもある程度の害虫被害は発生します。そんなときは早期に適切な駆除を行いましょう。次からは実際の駆除方法について説明していきます。
駆除方法① コガネムシ・ヨトウムシ・ツトガ
コガネムシ、ヨトウムシ、ツトガを1匹でも発見したら、農薬を使用して被害を拡大しないようにしましょう。
対策として有効な薬剤は2種類あります。状況によって使い分けましょう。
スミチオン
スミチオンは触れた害虫を駆除することができる薬剤で、ホームセンター等で購入が可能です。すでに害虫を見つけている場合に使用しましょう。
即効性があり効果が高く、安全であるといわれていることから、芝生の手入れに限らずガーデニング全般に利用されています。
スミチオンは水で希釈して散布するものなので、必ず説明書を読んで、適切な量を守り使用するようにしてください。
オルトラン
昨年大量発生してしまったので、今年は早めに予防しておきたい…そんなときに使用したいのがオルトランです。
錠剤タイプがあり、芝生の上にふりかけて散布します。効果が持続するため、あらかじめ撒いておき成虫の産卵に備えることもできる優れものです。春先の害虫被害が増える前に散布しておきましょう。
駆除方法② アリ
アリ駆除には専用の農薬を使用します。効果が持続するものや、連鎖的に巣ごと退治できるものがあります。アリが増えてきたと感じたり、アリの巣が目立ってきたら駆除を考えましょう。
駆除方法③ ミミズ
ミミズ駆除には椿油粕を使用します。椿油粕には、ミミズが苦手とするサポニンという成分が含まれています。
芝生の上に椿油粕を撒き、その上からたっぷりと水をかけて地中に染み込ませると効果を発揮します。苦しんだミミズが地表に出てきたら捕殺しましょう。
まとめ:
日頃のお手入れが害虫対策のカギ
芝生の害虫発生を食い止めるには、芝刈りなどの手入れをこまめに行いましょう。できるかぎり予防することが一番大切です。もしも発生してしまったら、害虫の種類ごとに適切な駆除方法をとって早めに被害を食い止めましょう。
日頃から芝生を観察し、お手入れをすることで、害虫被害は最小限に抑えることができます。家族で楽しむ大事な芝生。適切な対処で乗り切って、のびのびと芝生生活を満喫しましょう。