「なんだか最近、芝生の様子がおかしいような気がする」「害虫がいる様子でもないのに、どうして…?」「お手入れが何か間違っているのかな?」

お手入れ中に気付く、このような芝生の異変。もしかしたら、芝生が病気にかかっているサインかもしれません。

病気といわれると心配になりますが、症状に応じて適切な処置をすれば、復活する場合がほとんどです。一方で、発見が遅れると芝生が元の状態に回復するまでには時間が掛かります。大事なのは病気の早期発見・早期対処なのです。

大切な芝を守るために、芝生の病気について知っておきましょう。この記事では、芝生でよく見られる病気とその対処法について解説します。

目次

    芝生の病気の基礎知識

    もっとも重要なのは、芝生を病気にさせないこと。そのためには、芝生が病気になる原因と、病気になりやすい環境について知っておく必要があります。

    芝生が病気になる原因とは

    芝生の病気の原因には、大きく分けると3つの要素があります。

    1. 湿度の問題
    2. 土壌の問題
    3. 日照の問題

    3つのうちのいずれか、もしくは複数の要因が組み合わさって、芝生が弱ったところに病原菌等が入り込み、芝生が病気になる…という流れです。1つずつ、詳しく見ていきましょう。

    湿度の問題

    芝生に発生する病気の多くが、ジメジメした環境を好んでいます。「水をやりすぎている」「障害物等で風通しが良くない」「水はけが悪い」など、高温多湿にさらされている環境では病気の発生率がぐんと高まります

    季節に応じた適切な水やりと、芝生の周りの風通し確保を心がけましょう。

    土壌の問題

    芝生の健康と土壌は密接に関係しています。芝生が病気になってしまうのは、芝生自体の病気に対する抵抗力が落ちているからです。

    芝生にとって最適な土壌とは、サッチなどの有機物が堆積しておらず、土壌に多様な微生物が存在し、肥料分がバランス良く含まれていること。これらの条件が崩れると芝生が弱り、病気にかかりやすくなります。

    芝生の掃除エアレーション、施肥といったお手入れで土壌の健康を保ちましょう。

    日照の問題

    芝生は日当たりが良い場所を好む植物。日当たりが悪く光合成が十分に行えないと、芝の抵抗力が落ち、病気に弱くなります。

    芝生を張った直後は日当たりが良くても、庭木の成長とともに日陰が増えていく場合があるので注意が必要です。1年を通して十分な日当たりが確保できているか、時期を見て確認しましょう。

    代表的な芝生の病気と対処法

    病気になるメカニズムをおさらいしたところで、次は芝生の病気についてそれぞれ見ていきましょう。ここでは代表的な「ラージパッチ」「さび病」「春はげ病」「ピシウム病」の4つを取り上げていきます。

    芝生の病気①
    ラージパッチ(葉腐病)

    西洋芝に見られることが多い病気。病変部分が茶色やオレンジ色っぽくなり、大きなシミのようにパッチ状に広がります。

    ラージパッチを引き起こす病原菌は、ジメジメとした湿度が高い環境を好みます。特に、春や秋の長雨が続く時期になると多く発生。放置すると徐々に大きくなり枯れが拡大していきます。

    菌類を原因とするので、芝刈り道具などに付着して他の場所に伝染して広がっていくことがあります。

    ラージパッチの対処法

    できるだけ発生初期に薬剤を散布することで対処しましょう。毎年繰り返すようであれば、発生時期である5月前に予防的に薬剤を散布してください。

    排水性が悪いと発生する傾向があります。普段から、エアレーションサッチングといったお手入れを欠かさないようにしてください。

    芝生の病気と対処法②
    さび病

    葉に赤さびが付着したように見えることから、さび病という名前がついています。日本芝に特に多い病気で、日陰のジメジメした環境を好み、芝生以外の植物にも感染します。

    ただし、発生したからといってすぐ芝生が枯れてしまうものではありません。季節の変化で湿度が落ち着くとともに、治っていくことが多いです。

    さび病の対処法

    芝生に日陰となる部分が増えていないかを確認します。植木を剪定したり、日陰の原因となるものは置き場所を変える等で対応しましょう。

    被害が広範囲に広がり、芝生の枯死が進んでいる場合は薬剤を散布してください。

    芝生の病気と対処法③
    春はげ病

    下葉が少しずつ枯れていき、春に新芽が出なくなり、芝がはげたように見えます。症状として目立つ方ではありませんが、夏頃までは新たな芽がでなかったり、密度の薄い状態が続いたりします。

    一度発生すると毎年同じ場所に発生することもあるため、注意が必要です。

    春はげ病の対処法

    毎年発生する場合、前年からの予防散布で症状が改善できます。芝生休眠前の10月ごろに薬剤を散布しましょう。

    また、病原菌の温床となるサッチ層を除去することも大切です。

    芝生の病気と対処法④
    ピシウム病

    ピシウム菌を病原体とする病気で、芝に蜘蛛の巣を張ったような糸が発生するのが特徴。ピシウム菌がいる場合、芝生にキノコが生えてくることも多くなります。

    直接枯死につながることは少ないですが、高温でジメジメした環境を好んで発生する菌なので、芝生の環境は悪い状態になっているといえます。

    ピシウム病の対処法

    芝生が湿度の高い環境になっているので、水やりを調節したり土壌の改善を行います。ピシウム病による芝枯れが目立つ場合には、殺菌剤を散布しましょう。

    まとめ:
    こまめな手入れで芝生の病気は防げる

    芝生の病気発生を食い止めるには、芝刈りなどの手入れをこまめに行って、病気にならない環境を作ってあげることが大切。発生してしまったら、病気の種類ごとに適切な対処方法をとって早めに被害を食い止めましょう。

    病気被害は、日頃から芝生を観察し手入れする時間をとることで最小限に抑えることができます。適切な対処で乗り切って、のびのびと芝生生活を満喫しましょう。

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