芝生は、気温が上がり始めた6月〜8月に生育旺盛期に入り、美しい緑色に変わってきます。しかし、生育旺盛期に入るとともにやってくるのがジメジメとした梅雨の季節。雨が降り続く梅雨は、湿気や蒸れで植物が痛むイメージがありますが、芝生も例外ではありません。

梅雨の時期は、高温多湿の環境や長雨や日照不足の影響で、芝生が弱りやすくなります。梅雨時のトラブルを防いで元気に梅雨越しするために、梅雨入り前の手入れをしっかり行いましょう。

目次

    梅雨入り前の芝生の手入れ

    梅雨入り前の芝生に行う作業は、以下の5つです。いずれも、5月〜6月中旬までの梅雨入りの前までに作業を終わらせておきましょう

    • 雑草取り
    • サッチング
    • 芝刈り
    • 殺菌剤を散布する
    • エアレーション

    雑草を取って害虫を予防しよう

    気温が上がり始める時期は、雑草が増えてくる時期でもあります。梅雨入り前には、小さな雑草もこまめに除草しておきましょう。

    雑草は放置していると急激に増えてしまうので注意が必要です。梅雨に入ると除草剤も流れてしまうので、除草剤を使用して除草する場合は、梅雨入りの1週間〜2週間前までに散布しておきましょう。

    また、雑草が増えると害虫が寄ってくる原因にもなってしまいます。芝生には、コガネムシやオケラ、ミミズなどの害虫が多いですが、特にミミズは、雨が続くと出てくる芝生の代表的な害虫です。梅雨入り前には殺虫剤をまいて予防しておくと良いでしょう。

    雑草の種類や駆除の方法については、以下の関連記事を参考にしてくださいね。

    【芝生の栄養を奪う雑草を除去しよう!】雑草を根こそぎ失くす除草剤の種類と特徴

    芝生を手入れする人必見!よく見る雑草と対処法4選

    サッチングで通気性をよくする

    ジメジメした梅雨時期は、土壌の水はけや地表部の風通しをできるだけよくすることが大切です。芝刈り後の葉や、芝の間にサッチが溜まった状態のまま梅雨入りすると、土壌の水はけと通気性が悪くなります。

    梅雨入り前までにサッチングを行い、芝の間に溜まったサッチを除去しておきましょう。

    サッチングが不要な場合もある

    サッチングは、芝生を張って1〜2年の場合は必要ありません。適度な量のサッチは、芝を乾燥や暑さから守ってくれる役割もあります。

    サッチングをしすぎると、逆に芝生を痛めてしまうこともあるので、蓄積したサッチが1cm未満の場合は放置しておきましょう。

    芝刈りの頻度を上げ、新芽をたくさん出しておく

    芝生は、生長してきた葉先をカットすることで、新芽と根が伸びていく性質があります。梅雨に入ると、芝生はたくさんの水分と雨に溶け出した肥料の養分を吸って一気に生長します。

    梅雨入り前には、最低でも1週間に一度の頻度でこまめに芝刈りをして、できるだけたくさん新芽を出しておきましょう。そうすることで、生長のタイミングに合わせて芝生の密度が上がっていきます。

    梅雨入り前の芝刈りは、芝生の生長点を刈り取ってしまわないように、高い位置で行うのがポイント。生長点を狩ってしまうことを軸刈りと呼び、芝生が枯れる原因になってしまいます。

    芝生は濡れた状態では芝刈りができないので、梅雨時期にはタイミングを逃しがちになります。梅雨入り前にしっかりと新芽を出しておくことで、梅雨明けには、きれいに生え揃った密度の高い芝生ができているでしょう。

    殺菌剤を散布して、病気を予防する

    梅雨時期に最も注意したいのが、多湿が原因の病気です。水が溜まる低い部分などに、まだら模様や沈み込んだ部分ができたら病気のサインかもしれません。

    梅雨入り前には、芝生全体に予防殺菌剤をまいて予防しましょう。殺菌剤をまくことで、芝生に発生しやすいキノコも予防することができます。

    芝生に生えるきのこについて、詳しくは関連記事を参考にしてくださいね。

    芝生になぞのキノコが生えていた……芝生に生えてしまうキノコの種類と対策

    エアレーションをして土壌に空気を送る

    芝生は、一度張ると張り替えることができません。芝生の調子がよくない場合は、地面が硬くなっていたり、根が詰まっているかもしれません。

    そんな時は、梅雨入り前にエアレーションを行いましょう。エアレーションは、芝生に小さな穴をあけて地面をほぐし、詰まった苗を切って通気性をよくすることです。エアレーションを行うことで、根に新鮮な空気が届くようになるほか、土壌の微生物が活発になって病気を予防する効果があります。

    エアレーションの方法については、以下の関連記事を参考にしてくださいね。

    ふかふかな芝生を育てよう!エアレーションで根がみるみる健康に

    梅雨入り前にできればやっておきたい作業

    必須ではありませんが、梅雨入り前に適した作業が以下のふたつです。

    目土で地面のデコボコを補正する

    芝生を植えた地面にデコボコがある場合は、梅雨入り前に目土をかぶせて平らに均しておきましょう。

    デコボコがあると、水たまりなどで、一部に水はけの悪い部分ができてしまいます。常に水に浸かった状態になると、病気が発生しやすくなります。

    目土を入れる(不陸修正)作業は、芝生の密度が低い状態の方がデコボコが分かりやすく行いやすい作業です。長く真っ直ぐな棒などでへこんでいる部分を確認しながら、目土をかぶせて調整します。

    目土をかぶせるときは、芝生の葉が埋まらないように注意し、へこみが深い場所は数回に分けて直すようにしましょう。

    目土・目砂については、以下の関連記事を参考にしてくださいね。

    芝生でよく聞く目土・目砂とは?手入れの方法や選び方を解説

    枯れた部分を貼り替える

    梅雨入り前は、芝生の枯れた部分を張り替えるのに最適なタイミングです。

    芝生を張り替えたあと、1ヶ月間は朝夕に散水する必要があります。梅雨入り前に枯れた部分を張り替えれば、水やりの頻度を少なくすることができます。

    芝生の張り替えについては、以下の関連記事を参考にしてくださいね。

    【芝生初心者必見!】芝生の張り替えの一旦外しと張り替えるタイミングや方法について紹介

    梅雨入り直前にやってはいけないこと

    肥料散布は控えよう

    梅雨入り直前には、肥料を与えるのは控えましょう。

    梅雨の時期は、雨が長い期間降り続きます。直前にまいた肥料が溶け出し、傾斜の低い場所に集まることで、肥料焼けを起こして芝生が枯れる可能性があります。肥料は梅雨明けを待って行いましょう。

    まとめ:
    梅雨入り前の作業できれいな芝生をつくろう

    芝生をきれいに育てるためには、季節に合わせたお手入れをしてあげることがとても大切です。梅雨入り前には、ジメジメした期間が長く続くことを想定して、土壌の水はけや風通しをよくすることをポイントにした作業を行いましょう。

    梅雨明けは芝生の本格シーズン!きれいに生え揃った理想の芝生をつくるために、芝生の状態に合わせたお手入れを行ってくださいね。

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