芝生を張ろう!そう考えてホームセンターに行き、真っ先に見かけるのは、一般的な日本芝でしょう。
日本芝は日本の環境にマッチした非常に育てやすい品種ですが、日本芝の中にはいくつかの改良品種が存在します。改良品種には、従来の日本芝には無い特徴や、優れた性質を持っているものもあります。
この記事では、日本芝のさまざまな種類と特徴について調べてみました。「自宅に芝生を!」と考えていた方は、この記事で選択肢を広げてみませんか?
目次
日本芝の基礎知識
日本芝の基本的知識を5つ紹介します。
- 日本芝は暖地型芝生
- 冬は、地表が枯れて茶色くなる
- チクチクとした広い葉の種類が多い
- 高温多湿に強く、病害虫被害も少ない
- 張芝で育てる
日本芝は暖地型芝生
日本芝は全て暖地型芝生です。暖地型芝生は35度くらいまでの気温を適温としており、夏が暑い日本での栽培に適しています。
一般的には、高地をのぞいた東北以南の地域で栽培することが可能です。
冬は地表が枯れて茶色くなる
暖地型芝生の生育に適した温度は24~35度。秋口から生育が鈍り始め、冬には完全に生育をやめる休眠に入ります。休眠に入った芝生は、地表を枯らして省エネ状態となり越冬するのです。
12月ごろから芝生の枯れが進み、全体が茶色っぽくなります。この休眠こそ、常緑を楽しめる寒地型西洋芝と大きな違いといえる部分です。
チクチクとした広い葉の種類が多い
品種によって多少の違いはありますが、西洋芝に比べるとチクチクとした手触りの葉を持ちます。
日本芝は茎が太く、葉が広目で固さもあります。お手入れの仕方によって変わってくる部分でもありますが、一般的には、裸足で歩くのには違和感のある肌触りなことが多いです。
高温多湿に強く、病害虫被害も少ない
暖地型の特性から、高温多湿に強い性質があります。また、硬めの葉であることも影響して、病害虫に強い耐性を持ちます。
特に、寒地型西洋芝が苦手とする日本の夏に強く、トラブルに悩まされることも少ないでしょう。亜熱帯化しているともいわれる日本において、育てやすい芝生であることは間違いありません。
張芝で育てる
多くの日本芝では、切芝を庭に貼っていくことで育てる張芝をします。
種まきよりも植え付け時の手間は少ない一方、購入時には注意が必要です。切芝は鮮度が重要なので、状態のよいものを購入しましょう。
日本芝の種類と特徴
日本芝の代表的な4種類と、その特徴を解説します。
コウライシバ(高麗芝)
最寄りのホームセンター等で手軽に切芝を入手でき、日本の多くの家庭で育てられている芝生が高麗芝です。
農薬などほとんど使用することなく栽培できるほか、病害虫と高温多湿に強く、まさに日本にピッタリの芝生です。放任でも枯れることはない芝ですが、美しく管理する場合にはそれ相応の手入れが必要となります。
チクチクとした固めの手触りの芝生となるため、裸足で駆け回れる庭にするのは難しいかもしれません。
ヒメコウライシバ(姫高麗芝)
コウライシバよりも葉が細く、柔らかくなった種類です。
生長が早く、より多くの芝刈りを必要とします。また、病害虫耐性が低めなので、コウライシバに比べると管理に手間が必要になります。
ただし、寒地型西洋芝の夏越しのような難しさはありません。寒地型西洋芝の適地外で、柔らかい芝を育てたい人におすすめな種類です。
TM9
コウライシバの改良品種です。コウライシバよりも草丈が短くなるように改良されており、芝刈りの手間が圧倒的に少なくなるのが大きな特徴です。
年数回の芝刈りで芝の長さをキープでき、コウライシバよりもグリーンが濃く、ローメンテナンスで美しい芝庭を作りたい人に最適です。
比較的新しい改良品種のため、ホームセンター等での扱いが少ないのが難点です。また、コウライシバの倍以上価格が高くなっています。
ノシバ(野芝)
野生品種の芝がノシバです。自生していただけあって性質は強く、関東以南での栽培は容易です。
しかし、芝としての密度は薄く、葉の印象が荒いことが特徴。家庭用の芝生として導入する人は少なめです。
葉もかなり硬いため、一般的な印象の芝生とは異なる仕上がりとなります。公園など、まめな管理がしにくい場所に使われている芝の種類です。
まとめ
コウライシバを始めとする日本芝は、日本においてもっとも育てやすい種類。芝生の導入を考える場合、まずは日本芝の検討から入るのがおすすめです。
一般的なコウライシバでは物足りない人には改良品種もあるため、タイプが異なる選択肢の中から最適なひとつを選ぶことができます。
自分の芝生へのスタンスと照らし合わせ、最適の1種類を選んでみてください。興味が湧いてきたら、西洋芝を検討してもよいかもしれません。